張成沢回顧録
こんにちは。金正恩の叔父で、かつて北朝鮮のナンバー2と言われていた張成沢です。
2010年、新しく北朝鮮の「将軍様」に就任した金正恩が大きな課題を3つ、抱えていたことは皆様ご想像の通りです。
その第1は東アジアをめぐる4か国(米中露韓)プラス1との、国の存亡を賭けた折衝でした。 ここで言うプラス1は日本ですが、彼らは全てアメリカの言いなりなので蚊帳の外に置いても議論には影響ない。しかし、最終的には金を出させるために「6か国協議」の末席に加えておく、というのが暗黙の了解になっでいました。
第2の課題は北朝鮮国内に関するものでした。
核ふくむ抑止力を拡大させ国際的影響力を高めながら、ギリギリの所で軍の暴発を抑える。
その一方で、核やミサイルの開発への国際社会からの批判を、国民の結束に利用する。
しかし、実際に戦争になれば私たちに勝ち目はありませんから、そうした北朝鮮批判が開戦に至ることは何が何でも避けなければいけない。
そんな綱渡り的判断を求められていました。
ちなみに私が最も注視していたのは、米国の最新型でないミサイルの在庫です。彼らは私たち以外に中東でも余計な介入をしていましたが、 別に世界の警察役をやりたい訳ではなく、旧式となった武器の在庫整理をしたいだけなのです。従って私は、彼らが中東攻撃すればそれが一旦終わり、数ヶ月間は私たちを攻撃してくることはない と考えていました。
そして、実は最も深刻だった問題が第3の、正恩の肥満に伴う健康問題です。
正恩は就任から一年で体重が150キロを越え、民衆を「将軍様も頑張ってらっしゃるのだから皆ももっと辛抱を」などとはちょっと説得できない体になってしまいました。
料理人などから得た日本情報でおしっこ飲みダイエット、バナナダイエット、通販の腹筋ベルト、そしてライザップなどあらゆるダイエット方に取り組みましたが、効果は全く上がらず、私は彼が高血圧▪痛風▪糖尿病▪狭心症などで執務できなくなることを心配していました。
そんな時。
「叔父様。おじい様や父がそうだったように、正恩にも影武者を用意しその人に仕事をさせましょう」
頭を悩ませていた私に 、そっとささやいてくれたのは正恩の妹▪与正でした。
正恩や妻の雪主も、内部クーデターや米国の「斬首作戦」を恐れていましたから、それに大賛成でした。
しかし、2013年。
考えていた以上に遥かに早く、心配は現実のものになってしまいました。
トッポギを食べながらライザップのベンチプレスをしていた正恩が、喉をつまらせ窒息死してしまったのです。
国はこの先、一体どうなるのか?
・・・私は途方にくれました。
私はもちろん、事態をいち早く中国にいた異母兄の金正男に相談しました。
しかし彼はディズニーなどの西側文化に毒されてしまっており「国を継ぐ気は全くない」「開放せねばあんな国もたんよ」と、零細企業の後継者問題を地で行くような、つれない返事を返して来ました。
ただし、正男はただ「将軍様」になるのが嫌だっただけで、国の将来像についての考えは私や与正と一致していました。亡き正恩と思想を異にする彼は、後に母国の「開放」に向けた一連の作戦に大きな役割を果たしてくれます。
もし、その時点で彼を無理矢理委員長に就任させ、急に「開放」へと方向転換しようものなら、国民が動揺したばかりか軍のクーデターが起きたでしょう。当時の民衆や軍からすれば「あの一糸乱れぬマスゲームや厳しい垂直脚あげ行進訓練は一体何だった?」てことになりますからね(笑)。
結局、私たちには、取り敢えず影武者を続投させる以外の選択肢はありませんでした。
与正はもちろん、正男や雪主も同じ考えでした。
一方では、北朝鮮を国として存続させるための勝負の「タイミング」が、様々な方向から迫ってきていました。
国際情勢以外には例えば、影像▪通信技術の進歩です。
中国は不穏分子摘発のため、国をあげて顔認証システムの開発を始めていました。
米国ではサーモグラフィーで衛星からでも替え玉1号・2号・・・を判別できる技術の完成が時間の問題でした。
影武者をコロコロ入れ換える訳に行かなくなる時代が近づいていることは火を見るより明らかだったのです。
「開放」路線にある影武者を「本物」として国際首脳に「握ってもらう」ために・・・特定の人物を育成し華々しく国際デビューさせるのは、まさに時間との闘いでした。
しかし。
そんな中。
ここで私たちに、2つばかり嬉しい番狂わせが起きました。
1つは15名ほどいた影武者の中に(耳の形などのぞき)正恩と瓜二つで、本物より遥かに頭がよく、ユーモアと度胸を兼ね備えた男がみつかったこと。
実は彼は貧しい農村の五男で、初めは来日時の白鵬のようにやせ細っていました。が、先輩の影武者たちにホチキスで止めるような傷をつけられることもなく「ともかく太る」ことに専念してくれました。
そして2つ目は 、与正と雪主の二人がそんな彼を心から「愛してしまった」ことです。
彼と二人の女性に、北朝鮮の未来を託すしかない。
私は腹をくくりました。
この時期までに、国内では軍の力はますます強力になっていました。生前の正恩が冗談半分、はったり半分の遥かな目標として語っていた核の開発に成功したのです。
結果、北朝鮮はますます世界の「ならず者国家」とみなされ、いつ米国からの制裁を受けてもおかしくない立場になってしまいました。
私は「国際社会の堪忍袋の緒が切れる、最後のタイミングが来つつある」ことを察知し、かねてからの作戦を実行に移すことにしました。
ちなみに、米国はすでにこの時点で、もちろん「正恩」が影武者であることを掴んでいました。 すでに本物の正恩がいないということ、すなわち「ならず者国家」の実権を握っているのはナンバー2の私だということが「蚊帳」の常識になりつつあったのです。
私は身の危険を回避するとともに、密かに各国を飛び回り、首脳たちと朝鮮半島和平に向けた戦略を共有していく必要に迫られました。
「誰にも見られず」「この世に残さないよう大型機関銃と火炎放射器で木っ端微塵」に処刑されてしまった。
そんな情報をわざわざ世界に配信したのは、こうしたことが背景です。
私が脱出先に選んだのはロシアでした。米中どちらかの陣営に属することは得策ではありません。その点ロシアには留学時代の人脈があり、また歴史的に「影武者文化」への造詣が深い国でもありました。
私は極秘裏に(多分本物の)プーチンに保護され、その前後に「粛清」名目で出国させた70名の部下たちや与正▪雪主▪影武者と、今はやりのLINEでモスクワから指示を出していました(いやはや便利な世の中になったものです)。
与正▪雪主▪影武者からはよく平壌15番館で、「毎日川の字になって寝てイッスムニダ」といったインスタグラムが送られて来ました。
が、この3名はもちろん、私や正男のように海外に身を隠す訳には行きません。 与正は兄とできているとも言えず、将軍様が死んだことがバレれば、雪主とて命からがらの人生が待っていますから。
他方、影武者はモテモテに加え食べ放題、太り放題の人生を謳歌しており・・・ともあれお互いがWINWINで愛を育んでいるのは何よりでした(その後、影武者までが痛風になったのには参りましたが:笑)
なお後日談ですが、米国が影武者情報を日本の首相に伝えた際、彼は何ということかそれを「私と親しいがゆえのアメリカンジョーク」だと勘違いし、自慢気にメディアに話してしまったそうです。
「蚊帳」メンバーはかんかんに怒り・・・米国に「これから奴を絶対(蚊帳の)中に入れるな。米国に来てもゴルフクラブでも与えて遊ばせておけ」と申し入れたそうです(ゴルフ相手をしたのはもちろん大統領の影武者です)。
さて。
プーチンと立てた戦略の1はまず中国の巻き込みでした。
中国に強いのは何と言っても正男です。
そこで、彼にも影武者を立て、マレーシア潜伏中の仲間にLINEして、わざわざ世界中に影像が流れる場所で殺害することにしました。
殺された人、また「どっきりカメラ」のつもりが殺人犯になってしまった少女たちは本当に可哀想でしたが、実は私が本当に冷や汗をかいたのは、地元新聞に「椅子に横たわる"腹に刺青がない人物"」の写真がスクープされた時でした。
正男はその後、ディズニーランドがある上海▪香港を拠点に、フロリダ▪パリ▪東京▪アウラニ▪アナハイムなどをあそ・・・飛び回り、大いに活躍してくれました。
中国との話はもちろんトップシークレットで進められ、実は李克強首相や王毅外相にすら知らされていませんでした。
後に人民大会議で習近平から「大事な秘密があるが君には教えてあげない」と言われ首相が塞ぎ込んでしまったり、外相が正恩の影武者と会った際に思わす「何か変やな?」と顔をのぞき込んだりしたのには、実はこうした背景があったのです。
一方、米国では幸いにも2017年 、トランプ政権が誕生しました。
プーチンは彼の影の選対本部長だったので、商売人の彼に「まずいったん危機を煽って、日本におたくの武器を大量購入させろや」とアドバイスしました。
My visit to Japan and friendship with PM Abe will yield many benefits, for our great Country. Massive military & energy orders happening+++!
今はひたすら「このまま頑張れば中間選挙は安泰だし、ノーベル賞まであるで」と、彼の野心と名誉欲を焚き付けてくれています。
なお、先に米国が関係ない国と戦争するのは
旧式ミサイルの在家整理のためだということを述べましたが、
私たちの工作員が(シリア爆撃の口実となった)「化学兵器」情報に
関与していたかどうかについては、ノーコメントとさせて下さい。 韓国と日本についてはネット掲示板が発達しており、
これを見るだけで様々な情報が手に入りました。
対北朝鮮強硬政権をつぶすのによさそうなスキャンダルを軸に
工作しましたが、両国での成果は全く対照的なものになりました。
わざわざ山口の旅館くんだりまで行ったのに、
首相がバカすぎて全く話にならなかった、
という話はすでにプーチンから聞いていました。
が、先ほどの「アメリカンジョーク」に加え、
財務大臣が「北朝鮮の脅威のお蔭で選挙圧勝できた」とコメントするなど、
ほんとにこの国の首脳陣はどうかしています。
常識や基礎学力がなく、かといってトランプのようなアイデアや交渉力、
韓国大統領のような誠実さもない。
これでは私が手塩にかけた影武者にも大きく見劣りし、
国際社会から嘲笑されるのがオチでしょう。
話をもとに戻します。
日本には2017年から18年にかけ、韓国の何倍ものスキャンダルを流しました。
モリカケ▪セクハラ▪公式資料やデータの改竄隠蔽などなどです。
しかし、これは私が言うことではないんですが(笑)▪▪▪
日本ではメディアの役割が北朝鮮とほぼ同じだということが分かっただけで、
タカ派政権を転覆させるには至りませんでした。 冒頭でも言いましたが、日本に対し他の5か国は皆
「どうせ米国と同じ意見しか言わないんだから蚊帳の外で十分」
としか思っていません。
加えれば、「拉致問題が解決されるまで圧力」なんて言っている以上、
(1) 話し合い自体ができないことになり結局「拉致問題は解決できない」か、
(2) 「なら話し合いには入らんでくれ」 ということになるか、
(3)私たちが白旗を上げなければやがて開戦となり、
少なくとも自衛隊に相当の犠牲者が出る
▪▪▪以外の結末はあり得ない訳ですから、まさに全く論外なのです。 トランプが「まぁまぁ、必要な金は”戦後補償として”全部奴らに出させるから」
と言ってるので、みな我慢してますが(笑)。
最後に、そんな日本とは全く対照的に、韓国では全てがうまく行きました。 スキャンダルをきっかけに朝鮮半島和平に理解がある新しい大統領が誕生しました。 そして、米中露韓北による一連の大作戦を、
平昌オリンビックというまたとない機会にスタートさせることができたのです。 影武者は私の振付けどうりに動いてくれました。
唯一の誤算は、中国訪問の際、彼が恐くて飛行機に乗れないことが判明し
「なんぼ時間かかっても今回は列車でいかせて!」とゴネたことくらいでしょうか(笑)。
私たちにとって特筆すべきは一連の動きの中、与正が
金日成▪正日の「真の継承者」として、みごとな国際デビューを果たしたことです。 本当によかった。
私もこれで肩の荷がおりました。
朝鮮半島和平が実現すれば、一連の企てはそう遠くない将来にバレることになるでしょう。 その時には、与正が「騙してミアネヨ。一族支配やめますから許してチュセヨ」と、
国民に謝罪することになっています。
それにて全てがハッピーエンド。
そして、その瞬間に祖国が文字通りの「民主主義」人民共和国として
新たなスタートを切ることになると思います。
彼女なら日本の首相や官僚のように、
罪を影武者や雪主に押しつけるようなことは絶対にないと信じます。 提供はコチラ https://www.youtube.com/watch?v=4dNbq6t796c
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
最近のコメント