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2017年11月13日 (月)

世界遺産サミットin石見銀山(第三分科会)

 世界遺産サミットin石見銀山、第三分科会は「オペラハウス大森座」にて、世界遺産の魅力を伝える(世界遺産地域間の同種組織の連携)と題して行われました。

 パネリストは富岡製糸場のある富岡からNPO産業観光学習館専務理事の佐滝剛弘さん。明治日本の産業革命遺産を持つ長崎から長崎コンプラドール代表の桐野耕一さん(コンプラドールとはポルトガル語で仲買人という意味)。そして世界遺産第一号指定の法隆寺がある斑鳩町からは斑鳩の里・観光ボランティアの会会長の吉原淳一さん。地元、石見銀山ガイドの会からは安立聖会長にお出ましいただきました。

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世界遺産は「特筆すべき世界的価値」を基準に選ばれており、それぞれに成り立ちや観光地としての条件が違います。

従って「ガイド団体」のスタンスや運営方法もそれぞれに異なることになります。

例えばガイドが「有料か無料か」「要予約か予約なしか」といった基本部分についても、斑鳩は無料で予約不要、反対に長崎は有料で要予約。富岡と石見がその中間という感じに分かれます。

具体的には、富岡は予約不要で入場料に加え有料案内の有無を選択する方法、石見は原則要予約だが並行してワンコイン定点案内を実施されているという具合です。

とはいえ、お互いの工夫点の中に大いに参考となるポイントもあれば、各団体に共通する悩みや課題があったりもします。

例えば、ガイド内容については石見と富岡が標準化されているのに対し、斑鳩と長崎ではむしろ個人的アレンジを重視しているという違いがあります。が、その中で、石見はクオリティコントロールのために検定試験の合格者のみをガイドにする体制をとっておられます

富岡の佐滝さんからは共通案内の際の工夫点の1つとして「遺産としての紹介にとどまらず、現代・未来とのつながりを示す」ことを挙げられました。富岡製糸場の織機は日産製で、同社は実はそうした技術を基に自動車に参入し、今は無人運転をリードしているということなのだそうです。

対して(個人技重視の)斑鳩では修学旅行から建築等々の専門家、また特定の書籍やTV番組を見た歴史ファンまでが顧客となるため、ガイド間の情報交換の場を作り継続することが会としての大事な役割になっているとのことでした。

一方、「メンバーの高齢化」という少なからずの語り部系組織に共通する悩みに対し、「長崎さるく博」の立ち上げや推進にかかわった方々を中心に設立された桐野さんの取り組みが、大いに参考になったと思います。

若者の巻き込み・育成をどうやっておられるのかということですが、その1つは大学との提携。ガイド経験をした学生は「コミュニケーション能力」が大いに鍛えられ、就活でも好成績を収めているということでした。

さて、各地域共通の最大の課題といえば、何と言っても観光収入による遺産保全ということになるでしょう。

もちろん、観光客数のみで世界遺産を評価するのは間違いです。

石見ではUIターンにより小学生の数が増え、世界遺産の周辺部に養蚕業が残る富岡でもそうした職に就きたいという若者が出てきたといった新しい「世界遺産効果」の芽が披露されました。

一方では、特に産業遺産ではガイドの有無が最大のポイントなのに、行政が各団体任せにしている現状はいかがかなものかといった嘆きもありました。

他方、夜の部では(分かっている者どうしで話す分にはいいが)多くの関係者が「別に観光客数などどうでもいい」と口に出した所から衰退が始まる、といったシビアな意見も出ていました。


繰り返しになりますが、世界遺産地域におけるガイド団体はそれぞれに成り立ちや運営方法が違います。しかし、それぞれによく似た悩みや課題、また今後の展望を持っているという部分や、それぞれの進んだノウハウや考え方を学びあう余地も大いにあります。今回の会がそうしたことの交流の第一歩になればと思います。 

と、同時に、今回の「ガイド」団体間の交流にとどまらず、例えば商工会議所や青年会議所どうしとか、博物館や一番旅館どうしとか、小学校間、商店街間というふうに・・・世界遺産をもつ街の同種組織どうしの交流が、今回のサミットを出発点に進んで行けばいいなあということを感じました。

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