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2015年5月11日 (月)

ゼロ戦、君が代、学生服

 最初にお断りしておくと僕は「憲法9条」擁護派で、「国歌」の強制などには抵抗感を持つ。

 しかし、元・体育会ゆえ学生時代の正装は学ラン。就職戦線もそれで通したような人間である。「国歌」についても誇りを持ち、抵抗なく歌いたい人がいるのは、当然のことだと思っている。

 さて。

 先日、久しぶりに家族で行ったカラオケボックスで、5番目(小6)が延々「軍歌メドレー」を披露した。

 母親が驚き、どこでそれを覚えたのかを聞くと、百田尚樹さんの「永遠の0」を読み、「ラバウル小唄」ほかの存在に興味がわいたので、YOUTUBEで練習したという。

 僕は憲法九条を変えてはならない派だが、特に第二次大戦のことについては、特に子供たちは色んな方向から学ぶべきだと思っている。

 周辺国や沖縄との歴史、日本人的(A型)社会の危うさ(それは現在社会にも共通する)、しかし先人たちの存在なしに日本は例えば世界6位の領海+排他的経済水域を持つ国にはなれなかった点。そして自分たちやその子孫はそうしたメリットを享受する側にいることなどである。

 5番目はただ興味が赴くままにやっているだけだが・・・母親の心配をよそに?? アンテナの立て方自体は間違っていないように思う。

 週末、その「永遠の0」を5番目とともにDVDで観た。

 もっとも考えさせられたのは、特攻で亡くなった祖父(熱演は官兵衛)のことを調べ始めた主人公が合コンの場で、友人の「特攻や自爆テロは洗脳された愚かな人たちによる行為」という言葉に、「特攻が狙うのは敵の空母だけ。だから民衆を巻き込む自爆テロとは全く違うものだ」とやり返し、座を白けさせてしまうシーンだった。

 一方。

 この4月から4番目が中学生になった。

 冒頭でも述べたように自分は学生服好き派である。

 つい先日まで「くまさん」か何かのついたバッグを抱え半ズボンだった息子の学生服姿は、なかなか感慨深いものだった。

 しかし。

 一方では、あんな軍服や国民服みたいなものを、なぜ自分の子どもたちの代までが着ないといけないのだといういささかの違和感・残念感がある。

 以外にも朝礼、行進、ラジオ体操などなど・・・あまり残す必要がないと思われる「戦時臭」が、いつまでたっても(特に学校教育の場から)消えないのはなぜだろう? 

 戦後70年を迎える社会として「忘れてはいけない」ことを忘れ、「忘れてもいい」はずのことを引きずってしまっているのは、とても奇妙なことである。

 しかも・・・学生服は自分が持っている大半のスーツより高額だったりもする(笑)。

 他方。

 学問領域を転じた1番目が1年前から、22歳にして日本史を専攻し始めた。

 で、万葉研究をしている友人がたまたまその大学の看板教授なので、「是非受講しろ」と言っておいた。

 1回目の授業に出た日の夕食で感想を聞くと、えらく面白かった、ああいう(オタク的話を誰にでも楽しめるように説ける)人になりたい・・・と話す。

 で、もっと何か具体的にためになった話はないのかと突っ込むと・・・ぽつんと「君が代の”君”ってずっと天皇家のことだと思っていたけど、違うんだね」と。

 なぜそんなことが言えるのかを問うと・・・「その時代は特に天皇のことを”君”なんて言わないよ。言うなら”大君”のはずでしょ」。

 こんなあまりにも基本的な話を子どもから「教えられる」日がくるとは。

 まさに、目から目が落ちた。

 ちなみに、奴が通った小学卒業式で「君が代」を歌っていたのは校長と教頭だけ。教員も生徒も父兄も歌わず、シーンと静まり返った講堂の中にはたった2人の声だけが響いていた。

 中学の入学式では右翼の反撃?があった。校門前に街宣カーがつけられ「なぜ国家を歌わない」と大声を出すため、スピーチも何もあったもんじゃない。

 そんな異様な情勢下にあった。

 そうした経験もあり僕は国歌斉唱は強制するものではないが、誇りを持ち、あるいは抵抗なく歌いたい人を妨害するのは絶対によくない派になったのだが・・・そもそも曲の意味について「知らなければいけない」ことを分かっていなかったのだとすればかなり論外だ。

 「君が代を歌わない公務員はクビ」と主張するリーダーたちは、なぜ人々をこうした点から説得しないのだろう?

 日本の戦争につき「忘れてはいけない」こと、「知っておくべきこと」を知り、「忘れてもいい」はずのことを引きずらない社会をとりあえずの理想とすれば。

 敗戦からすでに0・7世紀・・・戦争や国と個人の関係をできるだけすっきり総括すべき時が、然るべきタイミングを逃したまま、何となく過ぎてしまいつつある。

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コメント

素晴らしい。お子達が自分で考え行動に移しているのは。世間のレッテル張りに惑わされずご自分の感性に従って右往左往するのもまた楽しからずやですね。

投稿: 澤田利彦 | 2015年5月13日 (水) 20時23分

澤田さん・・・あの件この件恐縮です(井戸)

投稿: 井戸智樹 | 2015年6月 2日 (火) 15時03分

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投稿: 偽物ブランド時計 | 2021年11月15日 (月) 04時30分

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