「お上」、とりわけ検察や司法に対する不信感が、小沢代表への「国策捜査」をきっかけとして静かに国民の中に広がっているようだ。
先日の「サンデープロジェクト」では「冤罪特集」をやっていたし、昨日、和歌山カレー事件の死刑判決が出たが、直接証拠なしの判決に対し、「推定無罪の原則」に反するという主張がかなり大きく取り上げられていた。
国民・行政・政治家はいわば「グー・チョキ・パー」の関係にあり、お互いに強い相手とそうでない相手がいる。だが、検察や司法はそれらとは全く別次元にある(=その分しっかりと公正な仕事をしている)と想われてきた存在だ。そんな 「お上」の実態を、ちょっといかがわしいものかもと国民が感じ始めているなら、とても大きな進歩だと思う。
メディアは当分、その存在意義をかけて、この間「御用機関」的存在に堕して来たことへ埋め合わせ期間に入るのだろう。世論にも一定の揺れ戻しが出、「お上」が国民がひれ伏すべき絶対的存在でも何でもないことが少しずつ、常識化していくといい。
さて、今の民主党はいわゆる「小沢批判」をすれば「空中分解」をささやかれ、団結志向で何も言わないと「いくじなし」扱いされる、何とももどかしい感じになっている。
小沢代表は「なぜやめないのか」を次回の選挙で民主党を支持しよう(自民党にNOをつきつけよう)と思ってきた国民に対し、きちん説明すべきだと思うが。
自分なら次の3点から「自民党の陰謀説=ニコニコ笑っているあの人こそが本当のワル」であることが『想像できる』。だからこそ徹底抗戦するのだと言う。
第1に、警察トップを副官房長官にもってくるという異例の人事である。なぜこんな人事がおこなわれたのか・・・官僚TOPになろうという人(あるいは組織)なら、その背景にある「メッセージ」を『忖度』できないはずがない。
第2に、秘書逮捕前に数回に渡り、のべ3時間以上に渡って「漆間+首相の密談」が行われている。
第3に、その本人が「自民には捜査は及ばず」という趣旨のオフレコ発言をしたことを絶対にウヤムヤにしない。
「政治とカネ」に関し問題を抱える議員は自民党の方が圧倒的に多いにもかかわらず、なぜこんなことが言えたのか? 少なくとも情報が官邸に入っていたからであり、実際、以降の「捜査」はその通りに進んでいる。
で、これを短く言い換えれば(小沢代表が発言しているように)真実がはっきりするまで辞める訳にはいかない、ということになるのだが・・・そこには残念ながら「国民も一緒に戦ってくれ」といった形でのメッセージがない。
そんな話を小沢さんに近い関係者にしてみたのだが・・・「それは誰もが想像している話。だが、不確かなことはなかなか追求できない」ということだった。
にせメール事件で懲りてるような面はあるのかも知れないが・・・本当に(国民の)「誰も」が気づいている話なのだろうか?・・・「業界常識」と国民の意識の間には小さくないギャップがあるように思う。
「業界常識」で省略されてしまっている言葉は実際の所、少なくない。例えば「政治に金が必要」って話についても、秘書10人で年間1億、事務所3つでまた1億・・・ってきちんと説明すればいいのである。
そのあたりを業界ノリで「きちんと説明しなくても分かってくれてる」と考えてしまうのは、果たしていかがなものか、という気がする。
「お上」不信に関し加えてもう1つ、あまり言われていないことを書く。
昨今の「漢検バッシング」はなぜ起こったのだろうか?
実は、漢検の元・副理事長(息子の方)は僕の友人であり、僕はもともと彼らを「地味な中味(漢字・検定)を題材にここまでの事業をやっている、知恵者のベンチャー・ビジネスマン」だとレスペクトしてきた。
もちろん彼らにも反省すべき要素はある。
今回のように視点が変わり「公益事業と私の関係」で語られると、「そう言われればそういう見方も成り立つよね」と遅まきながら気づかされる部分があったし、ファミリービジネスにして、あまりにも大きなお金を手に入れていたことへの驚きもあった。
にしても・・・突然、こんな騒ぎが巻き起こったのはなぜなのか?
彼ら以上に利益を出している公益法人もある(例:大相撲協会)し、中心人物や関係企業に金や仕事を回している所なんて、それこそいくつもあるはずである。
常識的な説は、漢字ブーム・検定ブームがあまりにも巨大なものになり過ぎたことである。
で、そこに登場したのが「漢字が読めない総理」(笑)。
今は周辺の「配慮」により失敗は少ない(ある週刊誌が写した原稿には「優れた」という字にまでふりがなが打ってあった:笑)が、「漢字ブーム」のさなかに彼が登場したことにより、「合わせ技一本」で「漢字をめぐる話題」がメインストリーム的なものとして注目を集めることになってしまった。
多くの人が「漢検協会って何ぞや?」「誰がやってるの?」と思い、結果として「出る杭は打たれる」ような事態になった。
一方では、昨今の「お上」不信の文脈で、次のような「あったかも知れない説」がささやかれている。
麻生さんの差し金ではないとことを信じたい(笑)が・・・麻生さんの気持ちを『忖度』し「漢字なんて大したことないブーム」を作ろうとした奴がいたかも知れない、という(ちょっと笑える)話が1つ。
もう1つは文部科学省からの天下りを拒否してきたことが、今回の摘発?の発端となった。少なくとも天下りを受け入れておればこんなことにはならなかっただろう、という指摘である。
天下り説の後半については恐らく、その通りなのであろう。
別に今さら大久保氏を弁護できるとは思わないが・・・今回の話を裏返せば、「文部省の介入なぞ受けたくない」ことをもっと明確にし、公益法人格など取得しなけれればよかった、というだけ話だったのかも知れない。
心から、再起を期待する。
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