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2008年7月16日 (水)

パネル・ベイ

 シャープの液晶パネル・太陽電池工場が堺。松下のプラズマディスプレイ・パネルが尼崎、そして液晶パネル工場が姫路に。以外には旭硝子のプラズマ・ディスプレイパネルガラス工場が住之江に。

 20回目の「関西経済人・エコノミスト会議」は、関西ベイエリアへのパネル系大規模工場の立地(パネル・ベイ)を題材として開かれた。

 久しぶりに、元気が出る催しであった。

 基調講演はシャープの町田会長で、なぜ堺を選んだのか、また堺工場はどのような点で亀山よりも進化した工場になるのかが紹介された。

 意外だったのは、①十分な土地、②労働人口が確保でき、さらには③物流インフラが整備されている地域は、実は全国的にもあまりない、という話である。で、シャープの場合は(堺vs姫路の中で)本社や主要工場(天理・葛城・亀山)と近いことなどが決め手になった。

 グローバル経済の下、関西は「2重の空洞化」(製造業のアジア移転・本社機能の東京移転)に苦しみ、失業率も高まった。また、各メーカーは組み立て中心の企業構造からグローバルな行程の再配置への対応を迫られてきた。

 が、結局、家電の場合は「日本でパネルを集中生産し、グローバルに供給。組み立ては消費地でおこない、市場に直結させる」という「行程の再配置」にメドがたつ形になった。で、それにより、かつて阪神・播磨工業地帯と呼ばれ、お荷物視されてきた(?)地域が、「パネル・ベイ」として蘇生し始めたということになる。

 パネルディスカッションでは「攻勢に転じる関西」、という威勢のいい言葉も聞かれた。

 松下から参加したプラグマディスプレイの森田社長は薄型テレビの概況を、①薄型比率は現在44%、2010年には世界で67%を見込んでいる、②世界のテレビの80%はかつて20社が生産していたが、薄型の時代になって(技術をもつ)11社程度に収斂されている、③薄型の台数的なボリュームゾーンは32型と42型に二極分化していく、④あわせて大型化が進み同年には67%が37型以上になる、と分析。

 姫路工場ではLCDでボリュ-ムゾーンの強化、尼崎工場ではPDPで大画面市場の牽引を目論んでいる、との戦略を披露した。

 続いて関西空港会社の村山社長が「パネル・ベイ」の発展のためには陸海空の物流充実が不可欠であること、あわせてこの間の関空が「航空物流の拡大」を経営戦略の中央に置いてきたことなどを紹介した。

 北米をカバーする6千キロ圏での貨物輸送は地理的に、アンカレッジがアジア、ニューヨークがEU、ロスとマイアミが南米を分担(?)しているということだが、これをアジア6千キロ圏に当てはめれば、北米向けに最も有利な位置にあるのは日本の空港だということになる。が、成田空港には修正不能な限界(発着容量、24時間不可)がある。そんな中、関空の貨物便は開港時の10倍近くに伸びており、国内では1人勝ち状態。また対アジア面での成田との比較では、2-5時間程度フライト中、1時間のアドバンテージがある点も大きいということであった。

 さらに、日本政策投資銀行の薄井関西支店長が、環境ビジネス面で例えばシャープの太陽電池(Since1959!)技術は現在のところ世界でも群を抜いていること、関西の電気機械集積、東海の自動車技術集積は世界の産業クラスターの中でも最大規模のものであることなどを紹介した。

 産業ネットワークとして見た場合、関西や東海のそれは、バイオのジーンバレー(ミュンヘン)、情報通信のシリコンバレーやオースティン、オウル、ハイテクの北京などをしのぐものである。「ものづくり」の国である日本を牽引するのはまさにこの両地域・・・なぞなぞと、持ち上げて。

 (明話続続)

 もちろん。

 関西学研都市やスプリング8、大学といったイノベーション拠点の連携がほとんどないこと、高速道路があと一歩の所で分断されてしまっていること、お粗末な空港行政が物流コストに跳ね返っている・・・といった課題というか、相変わらずの嘆き節(笑)も随所にあったが。

 しかし。

 この地でおこなわれる会議やシンポジウムで、元気になったのはホント久しぶりのことであった。

 日経新聞(関西版?)の7月24日に要約記事が出るそうなので、ご関心ある方は是非ご覧下さい。

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